会計士のぼやき

東京の監査法人で働いている新米会計士が仕事、時事ネタ、趣味、その他思ったことをつづります。

繰延税金資産の回収可能性②

前回の続きです。DTAの回収可能性は2STEPあります。


STEP1・・・将来減算一時差異がいつ解消されるかスケジューリングする。

STEP2・・・将来会社に利益があるか?(課税所得が十分か?)


STEP1補足

スケジューリングの可否を見ていきます。

例えば、減損を行った土地、株式などを売る予定がない場合などがこれにあたります。


STEP2補足


STEP2において、将来の課税所得を見積もることになるのですが、これがなかなか厄介です。


そこで、DTAの回収可能性を判断するにあたり「66号」という基準が登場します。


66号は、まず過去の業績などを元に会社を5つの区分に分類します。

(1が最も良くて5が最も厳しい。)


そして、事業計画などを元に将来の課税所得を見積もり、回収可能性の判断を行います。


ご覧くださり、ありがとうございました。

繰延税金資産の回収可能性①

会計監査においてDTAの回収可能性は重要な論点の一つです。


仕事でも何度もお目にかかりそのたびに頭の中「?」マークになってなってしまっているので勉強がてら考え方をざっとまとめてみたいと思います。(なので厳密ではない部分もあります)


前提


将来の税金の支払いが減る効果がある→DTA計上


すなわち、DTA計上にあたり、将来減算一時差異の解消時点で税金の支払いが減ることが前提となります。したがって、税金の支払いが減らないものはDTA計上できないということになるのですね。


ポイント


DTAの回収可能性の判断をするにあたり、2STEPで考えます。


STEP1・・・将来減算一時差異がいつ解消されるかスケジューリングする。

・スケジューリングが可能なもの→STEP2へ

・スケジューリングが不能なもの→原則DTA計上できない。


STEP2・・・将来会社に利益があるか?(課税所得が十分か?)

・一時差異の解消年度に課税所得が十分→DTA計上する。

・一時差異の解消年度に課税所得が不十分→DTA計上できない。


ざっくりいうと以上のような内容になります。次回、各STEPについて書いていこうと思います。


短答式試験

会計士の短答式試験が明後日のようですね。

受験生の方、月並みですが今までの成果を存分に発揮してください。


私は、試験の前日は基本的に何もしません。試験の準備をした後には、家でぼーっとします。テレビ見たりマンガ読んだり。ひたすらリラックスします。


皆さんは試験前日の過ごし方にこだわりはありますか?


ご覧くださり、ありがとうございました。